AWS SAMとは？CloudFormationとの違いを徹底解説

はじめに
AWS SAMとは？
SAMの特徴
CloudFormationとの違い
AWS資格試験対策としてのSAM
まとめ
参考

はじめに

AWSのサーバーレスアプリケーションを管理・デプロイする際に利用する「AWS SAM」について、CloudFormationとの違いに焦点を当てながら、わかりやすく説明していきます。

「AWS SAMって何ができるの？」「CloudFormationと何が違うの？」という疑問をお持ちの方に役立つ内容です。

AWS SAMとは？

AWS SAM（Serverless Application Model） は、サーバーレスアプリケーションを管理・デプロイするためのAWS提供のフレームワークです。

サーバーレス環境では、複数のAWSリソース（例えば、Lambda、API Gateway、DynamoDBなど）を使ってアプリケーションを構築しますが、これを手動で設定するのは大変です。

AWS SAMは、これらの設定を1つのテンプレートにまとめ、簡単に管理できるようにします。

SAMは、基本的にはAWSの CloudFormation に依存しており、SAMテンプレートを使用して作成されたリソースは、最終的にはCloudFormationを通じてデプロイされます。

しかし、SAMはサーバーレスに特化しているため、CloudFormationよりもシンプルにリソースを定義することができます。

SAMの特徴

まずは、AWS SAMの主な特徴を紹介します。

テンプレートの簡素化
通常のCloudFormationテンプレートでは、リソースを詳細に定義する必要がありますが、SAMを使うとテンプレートの記述が簡略化されます。
例えば、Lambda関数を定義する際、SAMではわずか数行でリソースを作成できます。
例：Lambda関数の定義

CloudFormationの例：

{
  "Resources": {
    "MyServerlessFunctionLogicalID": {
      "Type": "AWS::Lambda::Function",
      "Properties": {
        "Handler": "index.handler",
        "Code": {
          "S3Bucket": "amzn-s3-demo-bucket",
          "S3Key": "MySourceCode.zip"
        },
        "Role": {
          "Fn::GetAtt": ["FunctionNameRole", "Arn"]
        },
        "Runtime": "nodejs20.x"
      }
    },
    "FunctionNameRole": {
      "Type": "AWS::IAM::Role",
      "Properties": {
        "ManagedPolicyArns": ["arn:aws:iam::aws:policy/service-role/AWSLambdaBasicExecutionRole"],
        "AssumeRolePolicyDocument": {
          "Version": "2012-10-17",
          "Statement": [{
            "Action": ["sts:AssumeRole"],
            "Effect": "Allow",
            "Principal": {
              "Service": ["lambda.amazonaws.com"]
            }
          }]
        }
      }
    }
  }
}

SAMの例：

Transform: AWS::Serverless-2016-10-31
Resources:
  MyServerlessFunctionLogicalID:
    Type: AWS::Serverless::Function
    Properties:
      Handler: index.handler
      Runtime: nodejs20.x
      CodeUri: 's3://amzn-s3-demo-bucket/MySourceCode.zip'

SAMでは、CloudFormationよりも少ない記述量で同じリソースを定義でき、開発の負担が軽減されます。

統合されたサーバーレスリソースのサポート
SAMは、LambdaやAPI Gateway、DynamoDBといったサーバーレスアーキテクチャに必要なリソースを簡単に連携させるために最適化されています。
API GatewayとLambdaの連携もシンプルに記述できます。
ローカルでの開発とデバッグ
SAM CLIを使用することで、Lambda関数やAPI Gatewayのローカルエミュレーションが可能です。
これにより、AWSにデプロイする前にローカルでテストやデバッグができ、開発サイクルを効率化できます。
デプロイの簡素化
SAMを使うと、sam deploy コマンドを使って簡単にリソースをデプロイできます。
手動でS3にコードをアップロードしたり、複雑なCloudFormationコマンドを実行する必要がありません。

CloudFormationとの違い

SAMとCloudFormationの違いを整理すると、次のような点が挙げられます。

テンプレートのシンプルさ
CloudFormationはすべてのAWSリソースを詳細に定義する必要がありますが、SAMはサーバーレスリソースに特化しているため、より簡潔にテンプレートが書けます。
複数のリソースを連携させる際も、SAMでは自動的に関連付けが行われるため、設定ミスのリスクも減少します。
ローカルデバッグのサポート
SAMは、サーバーレスアプリケーションのローカルテストやデバッグ機能を提供していますが、CloudFormation自体にはこのようなローカルテスト機能がありません。
ローカルでのテストが必要な場合、SAMを使用することで効率的な開発が可能です。
デプロイの効率性
SAMでは、リソースのビルド、パッケージング、デプロイが統合されており、ワンコマンドで簡単に行えます。
CloudFormationでは、これらのステップを手動で管理する必要があります。

AWS資格試験対策としてのSAM

AWSの資格試験では、サーバーレスアーキテクチャに関する問題が出題されることが多くあります。
その際、AWS SAMの概念や使い方を理解していると、サーバーレスリソースの管理方法やデプロイの流れがスムーズに理解できるでしょう。
特に、API GatewayとLambdaの統合やデプロイ手順を押さえておくことが重要です。

まとめ

AWS SAMは、サーバーレスアプリケーションのデプロイをシンプルにし、開発の効率を高める強力なツールです。
CloudFormationとの違いを理解することで、より効果的にAWSのサーバーレスリソースを管理できるようになります。
資格試験対策としても、SAMを実際に使ってみることで、サーバーレスアプリケーションに関する出題にも対応しやすくなるでしょう。