はじめに
AWSを使い始めたばかりの方や、認証・暗号化周りを学んでいる方で「KMSって何?」「CMKとは何が違うの?」と迷った経験がある方も多いのではないでしょうか。
公式ドキュメントには専門用語が多く、どちらも「鍵を管理するサービス」として説明されるため、違いが分かりにくいと感じることが少なくありません。
私自身も、最初は「AWS管理のKMSは便利そうだけど、カスタマー管理のCMKが必要になる場面って?」と悩むことがありました。
本記事では、AWS管理のKMSとカスタマー管理のCMKの違いを分かりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、具体的な選び方のポイントをお伝えします。
この記事を通して、自分のユースケースに最適な選択ができるようになっていただければ幸いです!
1. AWS管理のKMSとは?
AWS Key Management Service(KMS)は、AWSが鍵のライフサイクル全般(生成、ローテション、破棄など)を自動で管理するキーです。
AWSのさまざまなサービスに統合されており、暗号化が簡単に利用できるようになっています。
特徴
- AWSによる自動管理: 鍵の作成からローテーションまでAWSが自動で行うため、ユーザーの手間がかかりません。
- 自動的に利用されるデフォルトの暗号化キー: AWSサービスの暗号化機能を使うと、AWS管理のKMSが自動で利用されます。
- モニタリングは限定的: 鍵の使用履歴やアクセス状況の監査は行えません。
メリット
- 簡単な運用: 鍵の管理をAWSが行うため、ユーザーは設定や運用に手を煩わせることがありません。
- コスト効率: AWS管理のKMSはサービス料金に含まれているため、追加料金が発生しません。
- 迅速な導入: 暗号化機能を利用するだけでKMSが適用されるため、特別な設定は不要です。
デメリット
- 柔軟性の制限: AWS管理のKMSは、特定のAWSサービスでしか利用できず、カスタマイズが制限されます。
- 制御の制限: 鍵のアクセス管理やポリシー設定が行えないため、詳細な制御ができません。
- 他のアカウントやリージョンでの利用不可: AWS管理のKMSは、他のリージョンやアカウント間での共有ができません。
2. カスタマー管理のCMKとは?
カスタマー管理のCMK(Customer Managed Key)は、ユーザーが直接管理・制御を行うカスタムキーです。AWS KMSを利用して鍵を作成し、必要に応じて自分でアクセス制御や利用設定が可能です。
特徴
- ユーザーによる管理: 鍵の作成、ポリシー設定、ローテーションなどをユーザー自身が管理します。
- アクセス制御やポリシーのカスタマイズ: 自分で詳細なアクセス管理を設定できるため、特定の用途に合わせた柔軟な運用が可能です。
- CloudTrailで監視可能: AWS CloudTrailを使って、鍵の使用状況やアクセス履歴を詳細に追跡できます。
メリット
- 高い柔軟性: ユーザーが細かいポリシー設定を行い、用途に応じたカスタマイズができます。
- 詳細な監査: CloudTrailと統合されているため、鍵の使用履歴を詳細に追跡できます。
- 他サービスやアカウントとの統合: クロスアカウントや複数リージョンでの鍵利用が可能です。
デメリット
- 管理の負担: 鍵の管理や設定に関わる手間がかかります。
- 追加コスト: カスタマー管理のCMKは、作成や利用に伴って追加料金が発生します。
- 設定の複雑さ: 誤った設定により、セキュリティリスクを生む可能性があるため注意が必要です。
3. AWS管理のKMSとカスタマー管理のCMKの比較
項目 | AWS管理のKMS | カスタマー管理のCMK |
---|---|---|
管理者 | AWS | ユーザー |
設定の柔軟性 | 低い | 高い |
コスト | 無料(サービス料金に含まれる) | 追加料金が発生 |
利用可能なAWSサービス | AWSサービスの自動暗号化用に限定 | すべてのAWSサービスで利用可能 |
監査・モニタリング | 限定的 | 詳細な追跡が可能(CloudTrail) |
キーのローテーション | AWSが自動管理 | 手動または自動で設定可能 |
クロスリージョン利用 | 不可 | 可能 |
クロスアカウント利用 | 不可 | 可能 |
利用開始の容易さ | 非常に簡単 | 設定が必要 |
4. まとめ
AWS管理のKMSとカスタマー管理のCMKの選択は、利用シーンや管理の負担、コスト、柔軟性などによって使い分けが必要です。
- 簡単さを重視する場合は、AWS管理のKMSが適しています。AWSサービスのデフォルト暗号化として利用するだけでよく、特別な設定は不要です。
- 柔軟性と制御が必要な場合は、カスタマー管理のCMKが最適です。特定のアクセス管理や複数リージョンでの利用が必要な場合に適しています。
これらの使い分けを理解することで、AWS環境における効率的かつ安全なキー管理が実現できます。
この記事を通じて、AWS KMSとCMKの違いや使い分けについて理解を深めていただければ幸いです!
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