CloudHSMとAWS KMSの違い

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はじめに

AWSにはセキュリティ強化のための鍵管理サービスとしてCloudHSMと**AWS KMS (Key Management Service)**があります。

本記事では、それぞれの特徴とユースケースを紹介し、最後に違いを比較表としてまとめています。

1. CloudHSMの特徴

CloudHSMは、AWSが提供するハードウェアセキュリティモジュール(HSM)サービスです。

  • 特徴:
    • 専用のHSMデバイスを利用。
    • FIPS 140-2 レベル3に準拠。
    • 暗号鍵はAWSによって管理されず、ユーザー自身で完全に管理します。
    • クラウド環境でオンプレミスのHSMと同等のセキュリティを提供。
    • AWSは暗号鍵にアクセスできない設計。
    • サポートするアルゴリズムやAPI(PKCS#11、JCE、OpenSSL)が豊富。
    • ユーザーがHSMクラスタの可用性やスケーリングを管理する必要があります。

※参考:FIPS 140-2について

  • コスト:
    • HSMインスタンスごとに時間単位の料金が発生。
    • 例えば、東京リージョンでは1時間あたり1.81 USDの費用がかかります。
      (料金詳細はこちら)
  • ユースケース:
    • 規制対応: 暗号鍵の管理権限をAWSに渡せない環境(金融機関や政府機関)。
    • カスタム暗号化: 独自の暗号化アルゴリズムやプロトコルを必要とするアプリケーション。
    • オンプレミスとの統合: 既存のオンプレミスHSMと一貫性のある暗号化管理。

2. AWS KMSの特徴

**AWS Key Management Service (KMS)**は、暗号鍵の管理と使用を簡素化するAWSのマネージドサービスです。

  • 特徴:
    • AWSによる完全マネージド型サービス
    • マスターキーの作成、ローテーション、使用ポリシーの設定が簡単。
    • AWSサービスとの統合が強力(S3、EBS、RDSなど)。
    • FIPS 140-2 レベル2準拠。
    • カスタマー管理型キー(CMK)とAWS管理型キーの選択肢を提供。
    • AWSが暗号鍵を管理し、操作はAWSサービスを通じて実行される。
    • 費用効率が高い: 利用ベースの課金モデル。
    • ユーザーが直接ハードウェアやキー管理の運用を行う必要がない。
  • コスト:
    • カスタマーマネージドキーの作成と保管には、1キーあたり月額1 USDの料金が発生します。
    • APIリクエストごとに追加料金が発生します。
      (料金詳細はこちら)
    • AWS管理のキーの作成と保管には料金はかかりませんが、APIリクエストには課金されます。
  • ユースケース:
    • AWSサービスの暗号化: S3やEBSなどでデータを暗号化。
    • 鍵管理の簡素化: 暗号鍵のライフサイクル管理をAWSに任せる。
    • アプリケーションの暗号化: AWS SDKを使用して暗号化をアプリケーションに統合。

3. CloudHSMとAWS KMSの比較

以下に、CloudHSMとAWS KMSの違いを表形式でまとめました。

項目 CloudHSM AWS KMS
管理責任 ユーザーがHSMデバイスを管理し、暗号鍵を完全に制御 AWSが完全に管理
暗号鍵へのアクセス権 AWSはアクセス不可(ユーザーが完全管理) AWSがアクセス可能だが、暗号化オペレーションはAWSで実行
規制対応 高度な規制対応が必要な環境に適している 一般的なクラウドセキュリティ要件に適している
FIPSレベル FIPS 140-2 レベル3 FIPS 140-2 レベル2
サポートするアルゴリズム カスタムアルゴリズムや標準API(PKCS#11、JCEなど) 主に標準化されたAWSサービス向けの暗号化アルゴリズム
費用 高額(専用HSMデバイスの利用と管理が必要、1時間あたり1.81 USD) 利用料金は安価でスケーラブル
AWSサービスとの統合 必要に応じてユーザーが設定 ネイティブに統合(S3、EBS、Lambdaなど)
主なユースケース カスタム暗号化、規制対応、オンプレミス統合 AWSリソースの暗号化、鍵管理の簡素化

4. まとめ

CloudHSMとAWS KMSはどちらも強力な鍵管理ソリューションですが、目的や要件に応じて使い分ける必要があります。

  • CloudHSMは規制対応やカスタム暗号化に適しており、鍵の完全な制御をユーザー自身が行いたい場合に選択します。
  • AWS KMSはAWSサービスとの連携を活かしたシンプルで費用効率の高い鍵管理が求められる場合に適しています。

用途に合わせて正しいサービスを選択し、AWSのセキュリティを最大限活用しましょう。

 

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